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酸素飽和度の低下

酸素飽和度の低下とは?

酸素飽和度とは血液中の酸素の濃さを表す数値。低下すると脳やからだの発達に影響をおよぼす場合があります。特に首のすわらない赤ちゃんを無理な姿勢で座らせたり、おなかを圧迫することがないよう注意してあげてください。

2004年9月、赤ちゃんの酸素飽和度低下と脳と呼吸に関する病気についてアメリカ医学雑誌「 PEDIATRICS 」に発表されました。

未熟児、新生児などをイス姿勢にしていると酸素飽和度が低下する場合があります。※1 ※2

酸素飽和度が低下すると脳に発達障害の恐れがあります。※4

未熟児、新生児、乳児 (6 ヶ月頃まで ) は、脳とおなかと呼吸を守る機能がついた平らなベッドに寝かせてあげてください。

チャイルドシート内の危険とは?

アップリカは、新生児にイス型後ろ向きチャイルドシートを使用することに疑問を持ちました。そしてチャイルドシート内においても酸素飽和度の低下の危険性があると考え、生後6ヶ月まではベッドに寝かせてあげることを推奨しています。そして、 1999 年、イス型チャイルドシートに首のすわらない赤ちゃんを座らせると酸素飽和度の低下を招く場合があることが日本の学会で発表されました。

赤ちゃんの姿勢と酸素飽和度低下の問題は、さまざまな研究が行われ、アメリカ・日本の学会等で発表されています。

1999年10月 日本ME学会第13回秋季大会
1999年11月 日本未熟児新生児学会
2001年9月 アメリカ医学雑誌「PEDIATRICS」※1
2002年2月 日本小児科学会発行「Pediatrics International」※2
2002年8月 アメリカ医学雑誌「PEDIATRICS」※3
2004年5月 日本ME学会第43回大会
2004年9月 アメリカ医学雑誌「PEDIATRICS」※4
2004年11月 日本ME学会育児工学研究会
2006年12月 欧州小児科学会
2007年4月 第46回日本生体医工学会大会
  • ※1 マーチャント(Marchant)他、アメリカ医学雑誌「PEDIATRICS」vol.108 No.3,September2001,P647~P652
  • ※2 永瀬他、日本小児科学会発行「Pediatrics International」2002,44,P60~P63
  • ※3 バス(Bass)他、アメリカ医学雑誌「PEDIATRICS」vol.110 No.2,August2002,P401~P402
  • ※4 バス(Bass)他、アメリカ医学雑誌「PEDIATRICS」vol.114 ,September2004,P805~P816

酸素飽和度低下による脳とからだへの影響について

2004年9月、アメリカ医学雑誌「PEDIATRICS」に発表された赤ちゃんの酸素飽和度低下と呼吸に関する病気の論文について先生方がコメントを出されました。

中村 肇先生兵庫県立こども病院院長/神戸大学名誉教授(当時)

バス博士らは、学術専門雑誌に掲載された関連論文を分析したところ、先天性心疾患や睡眠時呼吸障害患児における認知障害の原因として低酸素血症の重要性を示す研究をはじめ、慢性または間欠性低酸素症が幼児の認知、発達・行動・学力に悪影響を与える恐れがあるという論文が多数あることを改めて示した。

神戸大学医学部で行われた最近の研究論文 ※2 は、イス姿勢のチャイルドシートでは新生児に低酸素暴露が起こり得ることを示した。

バス博士らのこの度の論文 ※3 は、これらの比較的軽い低酸素環境下においても,乳幼児脳に悪影響を及ぼす可能性のあることを警告するものである。

仁志田 博司先生東京女子医科大学母子総合医療センター 所長・教授(当時)

2004年9月、アメリカ医学雑誌「 PEDIATRICS」に、「慢性または間欠的な低酸素状態が小児の認知能力に及ぼす影響」と題する論文 ※3 が掲載されました。これまで長い間、漠然と可能性があるだろうと考えられていた、小児の低酸素状態と神経学的発達の関係が証明されています。低酸素状態と神経学的発達の関係を実際の人間、特に子どもで実験を行うことは倫理的に許されませんので、その証明はこれまでの臨床研究、動物実験、更にたまたま発生した事例の検討などから推測するほかに方法はありません。

結果としては、特に先天性心疾患および睡眠時呼吸障害の研究文献で、低酸素状態の弊害が顕著に示されていました。また、慢性あるいは繰り返して低酸素状態になることが神経学的発育にマイナスの効果をもたらし、それは低酸素状態の程度や低酸素にさらされる年齢に関係ないことも示されました。このことは、 L字型チャイルドシートに新生児を寝かせると血液酸素濃度が低下する先行研究 ※1 、 ※2 と合わせてみると、通常の育児の中での新生児や乳児の姿勢についても、注意を払う必要を示唆しているといえるでしょう。

小西 行郎先生東京女子医科大学乳児発達行動学講座教授(当時)

現在 ADHD(注意欠陥多動性障害)などの軽度発達障害の原因についてテレビ視聴や睡眠障害などが言われているが、系統だった科学的な研究は少ない。

本論文 ※3 では慢性のあるいは間欠性の低酸素状態が子どもの認知能力に影響しているという科学的な証拠に基づく研究を整理したきわめて重要な総説 である。そこでは先天的な心臓疾患や喘息のように明らかな低酸素状態をきたす疾患についてだけでなく、日常生活上新生児を寝かせる器具と姿勢によってでも低酸素状態は起こり得ることを述べている。

新生児の姿勢保持に関して科学的に実証された最近の研究論文 ※1 、※2 を見ても、ベッド状態に寝かせた姿勢に比べ、イス姿勢の方が低酸素状態をきたす恐れの多いことが言われている。今回の論文はそうした新生児の姿勢を含めた種々の要因による赤ちゃんの低酸素状態がその子どもの将来の認知に障害を与える可能性があることを初めて示唆していると言える。

榊原 洋一先生 お茶の水女子大学 子ども発達教育研究センター チャイルド ケア アンド エデュケーション特設講座教授(当時)

脳の重さは体重の10分の1もないのに、脳にいく血液は全体の20%(5分の1)にも達しています。その理由は、脳が体のなかで一番酸素を消費する器官だからです。脳にいく血液が数分途切れただけで、大きな障害が残るのはそうした理由によるものです。血液が途切れて障害を起こすまでではなくても、脳を流れる血液中の酸素の量が低下したらどうなるのか、これまでたくさんの研究がありましたが、結果はいろいろでした。

本研究 ※3 は、これまでに発表された788篇の研究の中から、科学的にみて信頼できる研究を厳密な基準で選び、小児期に慢性的あるいは繰り返して酸素濃度が少し低下したことがその子どもの将来の発達にあたえる結果を検討したものです。

55編の信頼にたる研究成果をまとめた結果、先天性心疾患や睡眠時の呼吸障害で酸素濃度が少し低下することによって、その子どもの知的発達に影響がでたり、多動などの行動障害が起こり易くなることが明らかになりました。

池ノ上 克先生 宮崎大学医学部産婦人科教授(当時)

重度の低酸素虚血が後の認識能力に悪影響を及ぼすことはよく知られているが、中等度の低下については不明である。これらに関する根拠と因果関係の妥当性について文献的な検討を行ったのが本論文 ※3 である。

対象は、慢性的や間欠的に低酸素状態があったと判定され、その後の認識、行動および学業成績について 14歳までのデータがある原著論文である。

総計 788中、最終的には55の論文が適切な根拠を示す基準に適合した。その内43 (78.2%) で後の認知能力に悪影響が認められた。中でも37はコントロールスタディーの形をとっており、31 (83.8%) が悪影響を示していた。先天性心疾患と睡眠時呼吸障害は因果関係の認められる疾患カテゴリーであると判定されたが、この二つが42 (76.4%)を占めており、19で酸素飽和度の測定が行われ、中等度の低下でも悪影響が認められた。最近の研究 ※1 、 ※2 では、カーシートの中での新生児などでも酸素飽和度の低下が報告されており、この論文は、認知能力獲得の面からも、今後研究すべき重要な課題を示唆している。

佐久間 泉先生 東京女子医科大学母子総合医療センター 准講師(当時)

小児期に低酸素を経験すると、それが短時間で軽度であっても、成人期の認知機能に悪影響を及ぼすこと ※3 が、 2004年9月、アメリカ医学雑誌「PEDIATRICS」に発表されました。どの程度の低酸素がどの程度の悪影響を起こすのかは未だ不明ですが、成長期の子どもは、なるべく低酸素にならないように注意する必要があると思われます。例えばチャイルドシートは子どもの命を守るための大切な用品ですが、最近の研究論文 ※1 、 ※2 によれば、未熟児や正期出産新生児においては無理なイス姿勢から低酸素を起こす危険性が指摘されており、将来を考えても赤ちゃんに適した用品を注意深く選んであげることが大切です。

【参考文献】

  • ※ 1 マーチャント(Merchant) 他、アメリカ医学雑誌「PEDIATRICS」Vol.108 No.3, September 2001, P647 〜 P652 
  • ※ 2 永瀬他、日本小児科学会発行「Pediatrics International」 2002,44,P60 〜 P63 
  • ※ 3 バス(Bass) 他、アメリカ医学雑誌「PEDIATRICS」Vol.114 September 2004, P805 〜 P816

論文の原文はこちら(PDF)

生まれたばかりの赤ちゃんの安全を守るために

生まれたばかりの赤ちゃんのからだはとても未熟です。だから、平らなベッドで眠りや腹式呼吸を守ってあげることが大切です。

ベッド型(3ステップ)チャイルドシートの安全性 どうしてベッド型にこだわるの?

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赤ちゃんの8つの「守ってあげたいからだの未熟性」と3つの「育んであげたい心の発達」から8つの「からだと心を守り育む医学構造」を導きだしました。

アップリカは、赤ちゃんの心とからだ(身体)を「赤ちゃん医学」と「育児工学」を通して研究しています。

私たちは、未熟な赤ちゃんを守る製品の安全性・品質向上のために、赤ちゃんの理想的な環境の追従を続けています。